A-1 Climax 10th 『サクラノユメ。』 制作裏話

 A-1 10thお疲れ様でした。Setca.です。拙作『サクラノユメ。』は素点9位、Ave16位、Not Air率14位の総合10位という結果となりました。制作関係者並びにプレイ・インプレをしてくださった方に厚く御礼申し上げます。

 

あらためて見直すと反省すべき点もかなり多いですが、これを次の作品に生かしていきます。

 

さて、総評が公開されたので、私の方でも本作品についてお話させていただこうと思います。

 

youtu.be

 

今回のA-1に出場した目的

・これまで培ってきた「和風」というスタイルに加えて、新たに「王道」な作風を作る印象を与える

 

昨年のBOFXVまでかなり落ち着いた作品を作ってきたんですが、今後更に上を目指すためには、キャッチーで目立つ作風が絶対に必要になると思いました。そこで、前回出場した「東方音弾遊戯9」で公開した『Unlucky Tornado』と併せて、音ゲーとしてはある種王道の方向性を続けて出すことで、イメージの転換を図っています。

 

・BOFXVIに向けて、ボーカル曲のクオリティアップを目指す

 

こちらがメインかもしれません。これまでは作風だけである程度差別化できていましたが、こういったボーカルモノの場合はクオリティで差別化を図るしかないため、注目度の高いイベントでアドバイスを貰える機会は貴重だと考えました。

 

 A-1に出場するにあたっての目標

・Not Air率50%

方向性が王道寄りなので結構難しいだろうとは思っていたのですが、制作段階では過半数のNot Airが貰えるなら成功かな~と思っていました。

結果的にNot Air率43.8%という値だったので、目標設定自体は適切だった気がしますが、まだまだクオリティが低いことの証明ともいえるので、更なるレベルアップを図っていきます。

 

・優勝

やはりイベントに出場する以上、上位を目指して頑張ることがクオリティアップに繋がるのではないかと考えています。そこで、分かりやすい目標として「優勝」を設定していました。

ただし、今回は順位自体よりも先述した目的を果たすことの方が重要だと考えていたため、「仮に順位が下がるとしても、より印象的な作品になる」と感じた要素を優先しています(賛否両論の曲尺やワブルベースの採用等がこれにあたります)。

 

作品のコンセプト

・これまでの作風を継承しつつも、インパクトの強いキャッチーな曲

・様々な層にアプローチできる幅広い譜面難易度

 

今後に向けて強い印象を残すということを目標に、以上の2点を意識しました。

なお、今回は作詞→作曲という順で制作を進めています。

 

歌詞について

そもそも和風といえば何だろう?と考えた時に、やっぱり和歌だろうという発想に至りました。そして和歌といえば恋じゃね?という雑な流れで歌詞の方向性が決まりました。

 

作詞についてはサビから考えています。

「赤い月、全てをさらけ出して 今日だけは荒波に抱かれたいの」というフレーズを思いついたところからスタートして、それと対応させる形で「白」と「黒」の色を組み込みました。

「桜雨」だけ少し異質ですが、桜色=赤+白ということで、1番のサビをまとめて最後の黒色にパスする、といったイメージで置いています。雨が降ると月が隠れちゃいますしね。

そしてサビが決まったら割とあっさりBメロの歌詞も決まりました。

 

問題はAメロです。全然思い浮かばんかった。Bメロ〜サビに繋げるための情景描写を行いたいわけですが、上手く型にはめるのが難しいなと感じました。「今でも覚えてる」という冒頭の歌詞は、2番のサビの「私から消えてよ」と対応させてみたつもりですが、どうだったでしょうか。

 

いずれにせよ、まだまだ作詞は修行が必要かなと考えていますが、自分にできることはやりきったつもりです。

 

作曲面について

メロディーについては、音域を広げすぎないことを意識しました。

 

コードについては、サビが456ベースのドキャッチーなものだったため、それ以外の部分で割と複雑なことをしようと考えていたんですが、不協和音があったりで結構失敗だったかもな…と思っています。

 

しかし一方で作曲の幅を広げるためには色んなコードを使う経験も大事なのかなとも。理論的なアプローチも徐々に取り入れていきたいですね。好きな曲の耳コピにより一層しっかり取り組んでいきます。

 

というかコードで特殊なことするよりも、まずはベースの動かし方を学んだ方が良いかもしれん。←貴方本当に元チューバ吹きだったんですか?

 

編曲について

書くことがなくなってきた。

 

この辺で完全に曲が長すぎるだろ…となっているんですが、歌詞と合わせて考えた時に削るポイントなくね?となりました。A-1 Climax 10th 終了!

 

真面目に高順位を狙うのであれば間奏〜Bメロ(2番)とかは削るべきだったのかなとは思うんですが、それでもあの構成を貫いたことについては後悔はないです。

 

ミックス

分かんね〜〜〜〜助けてくれ。特にボーカルミックスが難しいですね。

 

インプレで頂いた意見を総合すると、

・ボーカル処理が甘い

・リバーブのかけ過ぎで音がぼやけている

・コンプを上手く活用してアタック感を明確に

・音量バランスの改善

 

あたりが挙げられます。

対策としては、複数の環境でモニタリングすると共に、書籍等を活用した知識の獲得、同じ音源を複数回ミキシングして比較等を行っていこうと考えています。既存曲の音のバランスの研究も並行して行いたいですね。

 

譜面について

自分の中では曲の中での緩急を意識しながら飽きないような譜面を目指しました。ただ、BMS化に伴ってキー音とBGMとの音量バランスが崩れてしまい、打鍵感が薄くなってしまうという指摘も多く、BMS化の過程をもう一度見直す必要があるかもしれない、と考えています。

 

ボーカルについて

ボーカルはA.Dokugaさんにお願いさせていただきました。切なさを感じさせながらも、凄く力強い歌声で最高でした。初めてのボーカル依頼ということで右も左も分からず、ご迷惑をおかけしたと思いますが、本当に感謝しております。

 

ジャケットについて

元々BGAを依頼する予定だったのですが、制作状況を鑑みてBGIを依頼させていただきました。凄く曲に合った良いジャケットだと思っています。#ありがとう有島

 

制作で大変だった部分

在宅ワークの増加によりインターネット回線の工事が混み合っており、ボーカル依頼以降の工程がかなり(3週間ぐらい)遅れてしまいました。結果的にカツカツのスケジュールになってしまい、ミキシング〜BMS化の工程を詰めきれなかったのは少し悔しいです。

余裕を持った制作も今後の課題ですね。

 

次回以降の作品について

本記事の執筆時点で、Mutual Faith 3にみーにさんとの合作で参加しています。プレイ・インプレをしていただければ幸いです。

 

venue.bmssearch.net

 

また、BOFXVIにチーム「モフモフの鳥」で参加します。今回の反省を生かし、更にレベルアップしたボーカルBMSをぶつけることができればと考えています。

 

今後ますます進化していくSetca.の作品、何卒よろしくお願いします。