ジュエリー・ハーツ・アカデミア -We will wing wonder world- プレイ後感想

Setca.です。きゃべつそふと様より販売されたジュエリー・ハーツ・アカデミアを本日完走したんですが、久しぶりにこういうの書きたくなりました。まだ発売から1日しか経ってないので、詳しい感想については後々追加しようと思います。

※2022/12/8 追記しました。

 

 

 

↓買ってね

https://dlsoft.dmm.co.jp/detail/cabbage_0007/

 

シナリオ

冬茜トム、天才。

 

もののあはれは彩の頃。で初めて触れた時からゲーム上手そうだなって思ってたんですが、毎度毎度彼に期待しているのはやはり予想外からぶち抜かれるトリックなんですよね。そこに関しては今回もやはり健在。というか、個人的には読んでて一番悔しいなって感情を覚えた作品でした。叙述トリックに関しては毎回進化してると個人的には思っています。日常シーンも結構面白くて、序盤~中盤までのテンポが遅い感じをあまり受けませんでした。

 

個人的に印象に残っているのがノアの演説周りのシーンですね。これまで見たことのない処理の仕方をしてて流石にデカい声出た。個人的にはお馴染みのアレ以上に衝撃を受けた部分でした。

 

ラストは正直まだあるんかい!そこで終わらんのかい!と思いながら進めてたんですが(某サイト覗いてみたらやっぱそういう意見多かったですね)、挿入歌がヤバすぎて許しちゃった。何だかんだ言いながら音楽畑の人間なので、良い曲に弱い。

 

あとはHシーンがエロい。5億点。個人的にエロゲーのシナリオって(特にストーリーに重点を置けば置くほど)必ずしもえっちでなくても良いとは思っています。でもえっちだと嬉しい。のでえっちボーナスです。特にアリアンナとルビィがおすすめです。まあ分量は少ないですが。

 

キャラクター

ヒロインだけでなくサブキャラクターも含め、すべてのキャラクターが魅力的でした。特にやっぱ先生とギメル良かったですね。存じ上げない声優の方もいらっしゃったのですが、喜怒哀楽の発露や悪役の不気味さの表現等、思わずこっちまで熱くなれるような力の入った演技を楽しめました。

 

きゃべつそふとさんってそこまでビッグネームを起用しない印象があるんですが、それでもしっかりと演技力高い方で固められてるのは素直に凄いなと思います。

グラフィック

元々しらたま先生といえばかわいい系の絵柄、というイメージを持っており、冬茜トム先生の重厚なシナリオと合うのかな、と少し不安だったのですが、ふたを開けてみるとかなりマッチしていた印象です。

 

一方で気になった点としてはCG使い回されすぎじゃね?という部分。個人的には絵柄どうこうというよりも戦闘シーンでずっと同じCGが使われているから新鮮味がないように思いました。

音楽

正直1stOP見た時は桜爛ロマンシアほどの衝撃がなくて大丈夫かな?と思ったんですが、杞憂でしたね。2ndOPがかなり良かったですし、BGM等もクオリティが高く、重要な場面ではかなりテンションが上がりました。

2ndOPこれね。

youtu.be

で、一番イカれてるのが挿入歌の『Rising Fomalhaut』でした。ぶっちゃけプレイするまでは『Will of Adamant』がピークだろうなとか思っててすみません。2022年、どころか正直今まで聴いたことのあるエロゲ楽曲の中でもトップクラスだと思っています。この曲聴けるだけでもやる価値あると思う。割と本気で。

その他

毎度なんですがUIはなんとかしていただきたいなと思います。

あれだけ見返したくなるシナリオでセーブスロットが80個しかないのはあまりにもやりくりがしんどい。途中で泣く泣く上書きセーブした箇所もありました。フルHDにも対応して欲しかったり。

アメグレ・さくレットでは実装されていたムービー鑑賞が消えてるのも残念でした。まあ容量問題とかあるのかもしれませんが…。EDとか見たくなったらいちいちセーブデータから引っ張ってこんといかんの?ただでさえスロット数少ないのに。

結構途中で選択肢出てくるので「次の選択肢へ」とかも欲しいですね。

総評

去年『さくらの雲*スカアレットの恋』をプレイしてエロゲへの情熱(?)を取り戻したんですが、ようやくあれを超えたかな、と思える作品に出会えました。ごめん2周目やったんだけどまだ超えてるとは言えない気がしてきた

ただ、重ね重ねにはなりますがシステム面に不満があるのもやはり事実です。というか減点法だと大分点数が下がる作品でしょうし、全体的なクオリティならアメグレ・さくレットの方が高いと思っています。本来シナリオを前面に押し出していくべき作品でありながら発売直後にトークショーやったりやたらたくさん有料限定版用意する売り方も正直あまり好きではないです。嘘、やっぱり少しでも儲けて少しでもシステム面改善して欲しい。

それでも求めていたものはしっかり堪能できたし、しれっとクソヤバ曲隠されてたんでやっぱりすごく心に残る作品だったなと。一生忘れない作品です。

 

追伸:色々書いてるけど正直エロゲ制作の苦労って全然わかってないから一回同人で何かしら作ってみた方が良いのかなあ。曲しか作れないのにこんな語ってて良いのだろうか。

ゴールデンウィークにプレイしたい!おすすめのエロゲ・ギャルゲ5選(+α)

お久しぶりです。Setca.です。最近結構ADVやってたんですが、あまり感想等を書く機会がなかったので、せっかくの連休ですしこれを機に個人的なおすすめ作品を共有しようかなと思います。

あくまで筆者がプレイした中でのおすすめですので、他におすすめの作品があればコメントやツイッターで教えていただけると嬉しいです。

 

1. 千恋*万花

温泉地にお手伝いに行ったら、ひょんなことから巫女様との結婚を言い渡される主人公。忍者に神様に留学生と、愉快な友人と共に伝承の謎を解き明かしていく伝奇もの作品です。

ちなみに僕は忍者の抱き枕カバー買いました。

youtu.beなんか年齢制限あるらしいのでYouTubeで見てください。

 

公式サイト

www.yuzu-soft.com

DL版リンク(FANZA):https://dlsoft.dmm.co.jp/detail/russ_0206/

 

良かった点

グラフィックや音楽も含め、システム面の充実度が非常に高く、とにかく快適にプレイすることができました。

あと、「友達以上恋人未満」とでも言いますか、微妙な距離感の変化を結構しっかり描いてくれている気がします。

 

個人的に気になった点

特にないです。ゆずソフトの製品は全体的にストレスが少ないように思います。

 

関連作品とか

ゆずソフトは安定して高クオリティの作品を出し続けているブランド、という印象です。

執筆時点でSwitch移植の情報が流れてきたため、今回は『千恋*万花』を挙げましたが、他にも良作は多いため、気になったものから触れてみるのが良いのではないでしょうか。

強いて言うなら、本作と『RIDDLE JOKER』の2作がオーソドックスで親しみやすいかな〜と個人的には思います。

 

 

2. アインシュタインより愛を込めて

頭は良いけどひねくれた主人公と謎の天才美少女・有村ロミが織りなすひと夏の物語。

あまり時間がかからない作品ですので、是非とも一年後の完結編、APOLLOCRISISまでやってください。

youtu.be

youtu.beこういうのでいいんだよこういうので。

 

公式サイト

https://glovety.product.co.jp/

DL版リンク(FANZA):https://dlsoft.dmm.co.jp/detail/vsat_0271/

 

良かった点

まずめちゃくちゃグラフィックが綺麗ですね。曲もすごく良いです。

軽快な日常会話と共に着々とストーリーが進行していく、読んでいて楽しい作品でした。

 

個人的に気になった点

誤字脱字が多かったです。あと主人公の趣味が「某巨大掲示板への書き込み」なのが若干センス古くね?とは思いました。良い奴ではあるんですけどね。

 

関連作品とか

本作のシナリオライター、新島夕先生が以前執筆された『はつゆきさくら』を個人的には推したいです。

 

 

3. 金色ラブリッチェ

メインヒロイン全員金髪!という、ちょっと奇抜な設定が当時話題となったSAGA PLANETSの作品。一見色物のようですが、皆が人生に真剣に向き合っているんだ、というのを叩きつけられます。

youtu.be

曲がエロすぎる。

 

公式サイト

sagaplanets.product.co.jp

DL版リンク(FANZA):https://dlsoft.dmm.co.jp/detail/vsat_0229/

 

PS4/Switch版サイト

www.entergram.co.jp

 

良かった点

笑いあり、涙あり。感情を揺さぶられるストーリーのお手本のような作品でした。

そして個人的にめっちゃ大事なポイントなんですが、Hシーンがちゃんとめちゃくちゃえっちです。特に姫様。

 

個人的に気になった点

序盤にやや不快な描写があります。まあ、その分後半進めていくと爆笑できると思いますが……。

 

関連作品とか

まずは本作の続編である『金色ラブリッチェ -Golden Time-』を。更にえっち度に磨きがかかっています。最高です。

また、本作と同じ布陣で制作されている『AMBITIOUS MISSION』が、SAGAPLANETSから2022年5月26日に発売予定です。

ピンク髪は正義って古事記にも書いてありますからね。期待大です。

sagapla.net

 

4. さくらの雲*スカアレットの恋

天才・冬茜トム先生によって紡がれるタイムトラベルものです。桜花爛漫、大正浪漫。個人的には、この時点で好きになってしまう要素しかないです。

 

100年前の世界で、あなたなら何を願いますか?

 

youtu.be

桜爛ロマンシアの言葉選びのセンスヤバすぎる。

 

公式サイト

cabbage-soft.com

DL版リンク(FANZA):https://dlsoft.dmm.co.jp/detail/cabbage_0005/

追記:5/8まで30%オフです。

PS4/Switch版サイト

www.entergram.co.jp

 

良かった点

とにかくストーリーが面白いです。プレイしながら何回叫んだか分かりません。

「記憶を消してもう一度やりたいゲームを一つだけ挙げろ」と言われれば、僕はこのゲームを挙げます(2番目はCivilizationVですかね)。

 

個人的に気になった点

探偵モノということでじっくり考えてみたい場面も多いのですが、セーブデータスロットがやや少ないのでやりくりが大変でした。

 

関連作品

冬茜トム先生が関わっておられる作品として、まずは『もののあはれは彩の頃。』、『アメイジング・グレイス』を紹介させていただきます。

もののあはれは彩の頃。』については、以前(4年半前!?)プレイした感想を述べておりますので、気になった方はこちらの記事も覗いていただければ幸いです。

setcanon.hatenablog.com

追記:『もののあはれは彩の頃。』については30%オフ(5月9日まで)、『アメイジング・グレイス』についてはなんと71%オフとなっています(5月8日まで)。とりあえず買っときましょう。

さらに、7月にきゃべつそふとより新作『ジュエリー・ハーツ・アカデミア』が発売予定とのことですので、そちらも要チェックです!前述の『AMBITIOUS MISSION』とコラボも行われているので、併せていかがでしょうか。

cabbage-soft.com

 

 

5. サクラノ詩

最後は桜繋がりで10年越しの大作と呼ばれるアレです。

youtu.beうん、やってますね。

 

公式サイト

www.makura-soft.com

DL版リンク(FANZA):https://dlsoft.dmm.co.jp/detail/mnphs_0002/ 

※5/9まで30%オフですのでこの機会にぜひ。

 

良かった点

良い意味で、苦しかった。それに尽きます。

氷川里奈……長山香奈……うぅ。

 

個人的に気になった点

百合シーンがあるのですが、個人的には百合シチュエーション自体が少し苦手なのでそこだけは気になりました。とはいえこれについては僕がどちらかといえば少数派な気がします。十年かかっているだけあって、クオリティ面での不満はほとんどないですね。

 

関連作品

2022年11月25日に続編『サクラノ刻』が発売される予定です。流石にここから5年待たされるとかはないんじゃないでしょうか。僕も早くプレイしたいです。いつ出るんだよ

 

まとめ

今回5作品取り上げさせていただきましたが、個人的にはどの作品も一定以上の満足感を得られるのではないかと考えています(少なくとも筆者はそうでした)。

もしも他にもおすすめの作品あるぜ!とかこれプレイしてみたけど面白かったよ!とかあれば、コメントかツイッターのリプライ等で教えていただけると嬉しいです。

 

ちなみに僕が今年のGWにプレイしようと思ってるのはこれです。

laplacian.jp

追記:やりました。もうね。すごい。うん。

 

定期的に情緒をボロボロにされたくなる持病を抱えています。Setca.でした。

 

ま~じゃんコネクトHARD開放RTA 基本方針解説

はじめに

最近、RTAをしてみたいという気持ちが生まれてしまった。年末にRTA in Japanを見ていたせいだろうか。

そんな折、こんな動画に出会った。

ま~じゃんコネクトといえば、ちょうど筆者がDLSiteの新春クーポンで買った作品ではないか!本家のプリンセスコネクトもプレイしていないというのに!

ここで出会ったのも何かの縁ということで、少し研究してみることにした。

 

元の動画によると、ルールは以下の通り。


計測区間
開始:ニューゲームを押した瞬間
終了:難易度ハード解放のメッセージが出た瞬間

レギュレーション
・ゲームバージョンは1.01(これ以外のバージョンは別レギュ)
・CPUおまかせ機能は使用禁止

 

これ以外には特に制限のないものと解釈した。

Discordで通話しながらこれ↓と並走していたので、現時点で確立している基本方針を書いておく。

※動画の投稿時のチャートと微妙に差異がある点についてはご容赦いただきたい。

www.nicovideo.jp

 

前提条件

最初に選ぶキャラはキャル。積み込みができる、というのは勝率以上に戦闘の早期決着につながる。当然ながらスキルも優先的に強化していきたい。

また、麻雀自動設定についてはこのように設定している。基本的に積み込んで立直して一発、というサイクルを永遠に狙っていくので、鳴き関連の選択メニューを極力表示しないように設定した。なお、暗槓は打点上昇につながるので積極的に狙っていく。

 

 

f:id:setcanon:20220109072646p:plain

鳴きは和了率・和了速度を高めるものの、毎回選択肢が出てくることによるタイムロスの方が大きいと思う。

強化方針

優先度としてはキャルのサンダーボール(積み込みスキル)>麻雀力>ウィンドスラスト(立直一発率上昇)>その他。体感だが、麻雀力は積み込みの精度に大きく関係してそうなのでしっかり上げておきたい。初期ステのキャルちゃんは麻雀のルールも知らずに積み込みを行っているのではなかろうか。

 

ちなみに同じ積み込みでもグリムバースト(UB)は強化しなくて良いと考えている。このアビリティが弱いというよりは、これを発動できるほど時間がかかってしまう時点でそもそもかなりタイムロスしているというのが大きい。そもそも無強化でもそれなりに強いし。

1局目で飛ばしきれなかったときの保険として、EXスキルを強化してTP回復量を上げておくのはアリかもしれない。とはいえ、その場合でも麻雀力の方が優先度は高いと思う。

 

戦闘チャート

レイ→(コッコロ, ぺコリーヌ, ヒヨリ)→キャル→サレン→(キョウカ, ユイ)が良いのではないかと考えている。後半4人はやや難易度高め。最後の2人は逆の方が良いかも。

 

初めにレイを倒す理由としては、単純にスキルがずば抜けて優秀なため。

ウィンドスラストの一発率5割上昇(多分50%の確率で一発を引くようになってる?)とかどう考えても強い。

もう一方のカウンタースラッシュも手番を消費せずに捨て牌を拾ってこれるので雑に強い。

なお、初戦でスキルポイントを180ポイント以上稼げるとサンダーボールを3段階強化できるので、初戦はリセットも視野に入れ、とにかく高打点を意識したい。サンダーボールは4段階強化でツミコミ小→中へとランクアップするので、役満が出ると最高。

 

また、初戦はキャル大先生の積み込み力が弱く、積み込み上等のま~じゃんでありながら通常の麻雀のような配牌を渡されることも多い。

そうなるときちんと考えて麻雀をする必要が出てくるが、10秒思考するには10秒かかる(当然だが)。この思考時間というものは、1分1秒を争うま~じゃんコネクトRTAにおいて大きなタイムロス要因になり得る。

そこで、できるだけ思考を排除できるような方針を事前に立てておくことを推奨する。個人的には何を捨てるかが分かりやすいため、四暗刻or清一色or国士あたりを狙うのが良いのではないかと考えている。尤も、高打点が見込めそう、かつ早そうな手なら普通に進めてもいいように思うが。

 

コッコロ、ぺコリーヌ、ヒヨリの3人を倒す順については、正直未だに最適解を見つけられていない。倒しやすさもほぼ同じくらいなのでどこから倒してもよさそうな気がする。

彼女達のスキルが必要になる局面=リカバリーが必要な局面であることを考えると、高打点が狙えるヒヨリが若干優勢だろうか。

 

なお、初期から存在する敵の体力は10000点だが、ユイはダメージ半減スキルを持っており20000点以上の打点が必要なので、能力を上げてから挑みたい。

なお、ユイのダメージ半減スキルは持続1ターンなので、ぺコリーヌのスキルフォールスラッシュを活用し、一発を避けてツモアガリすることで一発撃破が狙える。

 

キャルとキョウカはあちらも積み込みを使ってくるせいか、こちらが積み込みを行ってもやや手牌が揃いにくい気がする(体感レベルではあるが)。配牌次第ではやり直しも検討すべきか。

実は配牌を確認した段階でタイトルに戻り、再び対戦することで配牌をリセットできる。

 

アークガーディアン戦は積み込み以外のスキルが一定時間使用不可能となるため、正直積み込みがすべて。上手くいっててもここですべて台無しにされること多数。神社にお参りに行くといいらしい。2局目に四暗刻単騎が来るのにどうして1局目は11600しか来ないんですか?ちゃんと積み込んでますか?

 

 

終わりに

なお、動画の撮影に失敗したので非公式ではあるが(そもそもこのレギュレーションの公式ってなんだよ)本記事執筆時点での筆者のベストタイムは5分6秒59である。5分切りを達成できたら動画をアップするかもしれない。4分台が当然の世界になってしまった…恐ろしい。3分台になってて草

 

www.nicovideo.jp

 

ちなみにやってるの見てたけど初プレイで4分台出してました 才能の差を感じた

 

本記事が少しでもま~じゃんコネクトHARD開放RTA走者の参考になったのであれば幸いである。積み込みによって共にま~じゃん界を破壊していこうではないか。

BOFXVI 「透明すぎた僕らの夏は。」作詞過程とか歌詞の解説とか

はじめに

お久しぶりです。Setca.です。BOFXVIにて拙作「透明すぎた僕らの夏は。」がスコア34位、中央値79位を達成しました。また、チーム順位もスコア9位、中央値14位と、いろんな意味で躍進の年だったなあ、と思います。

あらためて、プレイ、インプレして頂いた方にお礼申し上げます。

 

youtu.be初めてこの動画を見た時、感動して一人で泣いてしまった。

 

今回の作品では特に歌詞を褒めていただけることが多かったので、その部分に関してこんな感じで考えてたよ~、ってのを伝えることが出来ればな、と思います。

 

その前に、まずはBOFXVIを戦う上での目標と戦略を設定しました。

 

今回の目標

・スコア上位1割、中央値2桁

昨年の成績がスコア79位、中央値108位だったので、これを上回る成績を目指すこととしました。具体的にはA-1出禁ラインですね。ここを超えるためにこの1年色々と頑張ってきたつもりです。

 

BOFXVIで戦う上での戦略

・王道のボーカルモノをやって注目を集めに行く。

徹底的にシンプルな構成にすることで、逆にプレイヤーに印象付けることを志向しています。

 

・ミキシング>編曲・サウンドメイキング>作曲>作詞の比重で力を入れる。

BMS化に近い工程ほどクオリティに直結するため、そちらに労力を割けるようなスケジュールを意識しています。なお実際は…。個人的に、BMSでは作詞にこだわる意味が薄いと考えています(プレイしながら歌詞まで聴き込む余裕がない&そもそも歌をしっかりと聴かせるミックスに仕上げることが難しいため。僕のようにミキシングが下手なタイプだとより顕著ですね)。特にBOFのような海外勢も多いイベントの場合、総インプレに対する日本語話者の割合が減るため、作詞の重要度は更に落ちるのではないかと思います。しかしながら、世界観がしっかりしているとそれ以降の作業が楽になるので、ある程度作詞の段階で世界観を作り込んでいくつもりでした。

 

・譜面は幅広い難易度を揃え、様々なプレイヤー層にアプローチする。

当然ですね。BOFの場合、全インプレが難しい&少数にインプレをする方が結構多いため、この辺りをしっかりやっているかどうかで地味にインプレ数に差が付くと考えています。

 

作詞をするにあたってのイメージ

僕は方向性がしっかりしていると作詞は大分やりやすくなると考えているので、この部分をまずはしっかりと固めていきます。

今回は夏の恋を漠然とイメージしていました。登場人物の心理描写を上手く行いながら、最初と最後で別れを前面に押し出す、という基本方針を定めた上で、細かい部分は作詞をやりながら考えることにしました。

 

 

構成

普通の音ゲーボーカルモノっぽい構成だと思います。最初にサビを持ってくること、Bメロに「サクラノユメ。」のメロディーを持ってくることを考えていました。

 

 

実際の作詞の流れ

裏話:「透明すぎた僕らの夏は。」という曲タイトルが定まるまでは、「ラストサマー・ダイアリー。」と仮で置いておきました。ちなみに元々は「ラストサマー・メモリーズ。」って曲名にするつもりだったんですけど、A-1で「ウタカタ・サマーメモリーズ」って名曲が登場して、しかも優勝したのでボツになりました。

実は今回発表した歌詞の前にプロトタイプがあったんですが、それはまたの機会に。

 

ラスサビ

まず最初に考えた部分です。

 

最後のページ、思い出綴じて
胸にときめきそっと仕舞うの
もう戻らない、あの夏の日々
刻む言葉は「ありがとう」

 

この部分ですね。

「日記」的な要素を出したかったので、「最後のページ」というフレーズを入れました。

日記である以上何か書くわけですが、ここでは敢えて奇をてらう必要もないと判断し、素直に「ありがとう」という言葉を持ってきました。あとはなんか良い感じになるように頑張りました。

 なんか良い感じ、と言いましたが、フレーズとしては「最後」「綴じる(閉じると掛けています)」「もう戻らない」と、「死」や「別れ」といったものを暗示させるように言葉を組み込んでいます。実際に「僕」と「君」の生死について、(生, 生), (生, 死), (死, 生), (死, 死)の4パターンを提示しつつ、結末を絞り切れないように濁したつもりです。

イントロ

次に考えた部分です。

 

 「ねえ抱きしめて、もう一度だけ」

僕ら、嘘だらけの恋だけど

幸せでした、最後の夏は

強く胸に刻み込んだ

 

こちらです。後にメロディーとの兼ね合いで「刻み込んだ」というフレーズが「刻んだ」へと変わっています。

 

まず「ねえ抱きしめて、もう一度だけ」というフレーズが浮かびました。これ自体は結構ありきたりなフレーズなんじゃないかと思います。だからこそ、この後に予想を裏切るようなフレーズを挟むことにより、逆に視聴者・プレイヤーを一気に引き込むことが出来るのではないかと考えました。

そこで「僕ら、嘘だらけの恋だけど」というフレーズをぶつけ、不穏さを演出しようと考えました。あまり序盤からカロリーが高過ぎるのも良くないと思ったので、その後は無難にまとめています。

 本楽曲の歌詞は全体を通して「解釈する上で、疑ってかかるべきもの」であるということを、ここの「僕ら、嘘だらけの恋だけど」というフレーズで示唆しているつもりです。また、ラストと時系列としては同時期を想定している、すなわちこの後回想入れますよ~、っていうのを結構明確に提示しています。

ラスサビ前

イントロの後に考えた部分です。

 

紙飛行機に、想いを乗せて

風に包んで 空へと投げた

近くて遠い、君との距離は

今も 変わりはしないから

 

ここですね。他と比べると割とすっと出てきた部分です。強いて言うなら、紙飛行機=返ってこないものをモチーフにしたのは、運命の不可逆性を意識していたぐらいです。

  より詳細な部分について。「僕」=Setca.、「君」=プレイヤー、「紙飛行機」=本楽曲、「風」=BMS、「空」=BOFXVIと捉えてますね。ただ、あくまで作詞っていうのは登場人物の心情を描写するものであって、作者の心情をガッツリ投影するものではないと僕は考えているので、あんまりこういうの良くないとも思っています。

 Bメロ

サクラノユメ。地帯です。


流れ星 僕らを繋ぎ止めて
この想い、絶対に同じだよね
手を引いた 小指を絡めたまま
今だけは、ここにいると…

 

歌詞もサクラノユメ。を踏襲した感じにしつつ、少しだけ幼い感じを出してみました。(大体2~3歳ぐらい年下のイメージ)

あっちの主人公が平安時代の18~20歳ぐらいって想定なのに対して、こっちは現代の16~17歳ぐらいのイメージですね。

 

サビ

紙飛行機に 似顔絵描いて
二人一緒に 海へと投げた
僕が描いた 君の絵だけが
波に包まれ 消えていく

 

個人的には今回書いた歌詞の中でファインプレーだと思ってる部分です。

紙飛行機を投げるにあたって、思い出を込められるとしたらなんだろう、と考えていたところ、「似顔絵描いて」というフレーズが頭に浮かびました。灯篭流しみたいなイメージですね。

「僕が描いた〜」以降の部分は冷静に考えるとおかしいんですが、まあ歌詞だし非現実的でも良いじゃないってことで。

 

「大好き」だとか 「愛してる」とか
口に出すだけなら できたけど
僕のそばから 君が消えてく
何故か そんな気がしたんだ

 

こっちはあっさりめにまとめてみました。単体だと結構ありきたりな歌詞なんじゃないかな〜と思うんですが、先の「紙飛行機〜」の部分を置いたことで、心情がくっきりと見えるようになったんじゃないかと思います。

 

 ところでこれは僕の勝手な考え方なんですが、「大好き」や「愛してる」って言葉を使う際は慎重になるべきだと思っています(お前バリバリ使っとるやんけ、というのは置いといて)。理由として、こういった言葉って「関係性を明確にしてしまう言葉」であり、「関係性を破壊しかねない言葉」でもあるんですよね。だからこそ軽率に使ってはいけないな、と自分では考えています。今回はその辺意識した上でこういった言葉を置いてみました。

 

何はともあれ、これで歌詞完成です!この後は歌詞に合わせて作曲して、編曲→ミックスと進めていきます。構成としてはとにかくシンプル、シンプルを追求していきました。

 

おわりに

今までそこそこBMSイベント出てきたつもりですが、今回ようやく一つ壁を超えられた感があって嬉しいですね。

 

でもやっぱり悔しい!!!!!!!!!!!

インプレ頂いて正直まだまだクオリティ詰められるんじゃないかって思いましたし、自分の弱点が一層浮き彫りになったな、って感じています。

今後更に強くなって、もっともっと良い作品を作ってみせます。次回以降の僕の作品にご期待ください。

A-1 Climax 10th 『サクラノユメ。』 制作裏話

 A-1 10thお疲れ様でした。Setca.です。拙作『サクラノユメ。』は素点9位、Ave16位、Not Air率14位の総合10位という結果となりました。制作関係者並びにプレイ・インプレをしてくださった方に厚く御礼申し上げます。

 

あらためて見直すと反省すべき点もかなり多いですが、これを次の作品に生かしていきます。

 

さて、総評が公開されたので、私の方でも本作品についてお話させていただこうと思います。

 

youtu.be

 

今回のA-1に出場した目的

・これまで培ってきた「和風」というスタイルに加えて、新たに「王道」な作風を作る印象を与える

 

昨年のBOFXVまでかなり落ち着いた作品を作ってきたんですが、今後更に上を目指すためには、キャッチーで目立つ作風が絶対に必要になると思いました。そこで、前回出場した「東方音弾遊戯9」で公開した『Unlucky Tornado』と併せて、音ゲーとしてはある種王道の方向性を続けて出すことで、イメージの転換を図っています。

 

・BOFXVIに向けて、ボーカル曲のクオリティアップを目指す

 

こちらがメインかもしれません。これまでは作風だけである程度差別化できていましたが、こういったボーカルモノの場合はクオリティで差別化を図るしかないため、注目度の高いイベントでアドバイスを貰える機会は貴重だと考えました。

 

 A-1に出場するにあたっての目標

・Not Air率50%

方向性が王道寄りなので結構難しいだろうとは思っていたのですが、制作段階では過半数のNot Airが貰えるなら成功かな~と思っていました。

結果的にNot Air率43.8%という値だったので、目標設定自体は適切だった気がしますが、まだまだクオリティが低いことの証明ともいえるので、更なるレベルアップを図っていきます。

 

・優勝

やはりイベントに出場する以上、上位を目指して頑張ることがクオリティアップに繋がるのではないかと考えています。そこで、分かりやすい目標として「優勝」を設定していました。

ただし、今回は順位自体よりも先述した目的を果たすことの方が重要だと考えていたため、「仮に順位が下がるとしても、より印象的な作品になる」と感じた要素を優先しています(賛否両論の曲尺やワブルベースの採用等がこれにあたります)。

 

作品のコンセプト

・これまでの作風を継承しつつも、インパクトの強いキャッチーな曲

・様々な層にアプローチできる幅広い譜面難易度

 

今後に向けて強い印象を残すということを目標に、以上の2点を意識しました。

なお、今回は作詞→作曲という順で制作を進めています。

 

歌詞について

そもそも和風といえば何だろう?と考えた時に、やっぱり和歌だろうという発想に至りました。そして和歌といえば恋じゃね?という雑な流れで歌詞の方向性が決まりました。

 

作詞についてはサビから考えています。

「赤い月、全てをさらけ出して 今日だけは荒波に抱かれたいの」というフレーズを思いついたところからスタートして、それと対応させる形で「白」と「黒」の色を組み込みました。

「桜雨」だけ少し異質ですが、桜色=赤+白ということで、1番のサビをまとめて最後の黒色にパスする、といったイメージで置いています。雨が降ると月が隠れちゃいますしね。

そしてサビが決まったら割とあっさりBメロの歌詞も決まりました。

 

問題はAメロです。全然思い浮かばんかった。Bメロ〜サビに繋げるための情景描写を行いたいわけですが、上手く型にはめるのが難しいなと感じました。「今でも覚えてる」という冒頭の歌詞は、2番のサビの「私から消えてよ」と対応させてみたつもりですが、どうだったでしょうか。

 

いずれにせよ、まだまだ作詞は修行が必要かなと考えていますが、自分にできることはやりきったつもりです。

 

作曲面について

メロディーについては、音域を広げすぎないことを意識しました。

 

コードについては、サビが456ベースのドキャッチーなものだったため、それ以外の部分で割と複雑なことをしようと考えていたんですが、不協和音があったりで結構失敗だったかもな…と思っています。

 

しかし一方で作曲の幅を広げるためには色んなコードを使う経験も大事なのかなとも。理論的なアプローチも徐々に取り入れていきたいですね。好きな曲の耳コピにより一層しっかり取り組んでいきます。

 

というかコードで特殊なことするよりも、まずはベースの動かし方を学んだ方が良いかもしれん。←貴方本当に元チューバ吹きだったんですか?

 

編曲について

書くことがなくなってきた。

 

この辺で完全に曲が長すぎるだろ…となっているんですが、歌詞と合わせて考えた時に削るポイントなくね?となりました。A-1 Climax 10th 終了!

 

真面目に高順位を狙うのであれば間奏〜Bメロ(2番)とかは削るべきだったのかなとは思うんですが、それでもあの構成を貫いたことについては後悔はないです。

 

ミックス

分かんね〜〜〜〜助けてくれ。特にボーカルミックスが難しいですね。

 

インプレで頂いた意見を総合すると、

・ボーカル処理が甘い

・リバーブのかけ過ぎで音がぼやけている

・コンプを上手く活用してアタック感を明確に

・音量バランスの改善

 

あたりが挙げられます。

対策としては、複数の環境でモニタリングすると共に、書籍等を活用した知識の獲得、同じ音源を複数回ミキシングして比較等を行っていこうと考えています。既存曲の音のバランスの研究も並行して行いたいですね。

 

譜面について

自分の中では曲の中での緩急を意識しながら飽きないような譜面を目指しました。ただ、BMS化に伴ってキー音とBGMとの音量バランスが崩れてしまい、打鍵感が薄くなってしまうという指摘も多く、BMS化の過程をもう一度見直す必要があるかもしれない、と考えています。

 

ボーカルについて

ボーカルはA.Dokugaさんにお願いさせていただきました。切なさを感じさせながらも、凄く力強い歌声で最高でした。初めてのボーカル依頼ということで右も左も分からず、ご迷惑をおかけしたと思いますが、本当に感謝しております。

 

ジャケットについて

元々BGAを依頼する予定だったのですが、制作状況を鑑みてBGIを依頼させていただきました。凄く曲に合った良いジャケットだと思っています。#ありがとう有島

 

制作で大変だった部分

在宅ワークの増加によりインターネット回線の工事が混み合っており、ボーカル依頼以降の工程がかなり(3週間ぐらい)遅れてしまいました。結果的にカツカツのスケジュールになってしまい、ミキシング〜BMS化の工程を詰めきれなかったのは少し悔しいです。

余裕を持った制作も今後の課題ですね。

 

次回以降の作品について

本記事の執筆時点で、Mutual Faith 3にみーにさんとの合作で参加しています。プレイ・インプレをしていただければ幸いです。

 

venue.bmssearch.net

 

また、BOFXVIにチーム「モフモフの鳥」で参加します。今回の反省を生かし、更にレベルアップしたボーカルBMSをぶつけることができればと考えています。

 

今後ますます進化していくSetca.の作品、何卒よろしくお願いします。