重厚なシナリオが魅力の「もののあはれは彩の頃。」 感想(+販促?)

 前回までは少し真面目な記事を書いていましたが、こちらの記事は更に大真面目です。ちょっとえっちな話なので、18歳未満の方は戻るボタン。あとちょっとネタバレ的な部分もあるので、そういったものが許容できない方は公式サイトをどうぞ。許容できる方も公式サイトを訪れてみることをおすすめします。

quincesoft.jp

 

 もののあはれは彩の頃。ランプオブシュガーの姉妹ブランド、クインスソフトの処女作です。こんなことを言いながら、私はランプオブシュガーの作品をプレイしたことがございませんので、今度プレイしようと思います(お金に余裕が出来たら……)。

 

 このゲームの特徴は、主人公を筆頭にキャラクターが双六の駒としての役割を果たしているということ。止まったマス目によって、様々な出来事が主人公たちを襲います。盤上で複雑に絡み合う互いの思惑。「双六」という非日常を主な舞台としていますが、その実かなり人物の描写等が巧みであり、そういう意味では非常に現実的なのではないかと考えられるストーリーです。

 

 和風、という感じが節々から伝わってきて、店頭で一目惚れして予約してしまったのですが、個人的には大正解だったと感じています。ちなみにこのゲームに用いられる双六は京都が舞台となっています。割と近くですし、そのうち聖地巡礼なんかも行ってみたいなあと思ったり。訪ねるならやっぱり作品と同じ時期の秋が良いかなあ。お金貯めよう。

 

 さて、メインヒロインは、主人公に敵対的な「野々宮京楓」、対照的に主人公に対して友好的な「鬼無水みさき」、掴みどころのない存在のロリ「琥珀」、おっぱいが大きくて陽気なイギリス人の「クレア・コートニー・クレア」の4人。ちなみに設定を見るとクレアは僕より身長が高いのですが、これは恐らく開発側のミスかと思われます。他に女性キャラとしては、主人公に対して明確な殺意を向けてくる「鹿乃縁」、そして双六の進行役となる「クナド」という神様が出てきます。このクナド様、実は登場人物の中で一番おっぱいが大きいんですね。しかもおぱんつが見える。よくやってくれました。素晴らしい。

 

 良いところを挙げると際限がないので、まずは敢えて悪いところから列挙してみたいと思います。

 

・分岐システムが非常に分かりづらい

 本作では選択肢の代わりにサイコロを振ることでルートが分岐します。これは特に初見の時にそうだったんですが、どうやったら違うルートに行けるのかがどうにもピンと来ない。わけもわからず既読スキップをしてしまえば、延々同じルートを繰り返してしまう。僕は最初の選択肢で3回ゲームオーバーになって心が折れかけました。

 物語の雰囲気とは合っていますし、慣れてしまえばこういう形もありだなと思えるのですが、慣れるまでは非常にストレスが溜まりました。

 

・SD絵に違和感がある

 絵が全く描けない自分が言うのもどうかと思うんですが、あまりにも顔に対して身体が細すぎる気がします。SD絵とは言え。もしかしたら違和感があるのは首かもしれん。その辺までは詳しくないのでわからないです。でも何だかんだで可愛いやつは可愛いです。

 

・えっちシーン(というかイチャイチャシーン)が少ない

 本編?が綺麗に纏まってるからそんなには感じないんですが、若干気になったかなあ。ゆずソフトとかが割と分量多いから気になるのかも。ただ、量は少ないながらもなかなか濃密で、質的な意味では割と満足しています。

 とは言え、この作品においてえっちとか諸々はおまけという位置付けなのかなあと思います。なんか最初から全開放ボタンとかついてるし。尤も、この作品においてそんな無粋なことを行うのはやめた方が良いと自信をもって断言できますが。

 

 若干ネタバレなので反転

鹿乃が攻略できない

 主人公に殺意を向けている一方で主人公以外は眼中にない、といった歪な精神構造をしている彼女。それは二人に共通する、「ある出来事」に原因があったのです。

  いやここまで見たら絶対攻略できると思うでしょ?少なくとも僕は思いました。あれだけインパクトあるキャラで、主人公のことあんだけ意識しておいて攻略できないの何なんですか?間接的にではありますが、主人公と一番関わってるんじゃないかというレベルですよ?

攻略できないだけならまだしも他の男に取られるのは絶許

 ぶっちゃけこれまで挙げた不満点なんて大して問題ではないんですが、この点だけは勿体ないなあと思います。攻略出来るようになったら3000円は出します。メーカーさんには是非このバグについて修正を検討していただけたらなあ、と思っております。

 

 

不満点はこんなところです。ではお待ちかね、この作品の良かった点です。

 ・キャラが魅力的

 まずはこの点が挙げられる点かと思います。ヒロインだけでなく、その他のキャラクターも人間味があって良い。外見的な部分ももちろんなんですが、双六という勝負が絡むことで、それぞれの性格や考え方が普通は意識しないようなレベルまでかなり克明に伝わってきます。現実とは異なる世界が主な舞台ですが、それ故にキャラがすごく生き生きしてる。これは凄く読んでて良かったと感じた部分ですね。

 

・シナリオが素晴らしい

 この作品の最大の魅力は間違いなくこの部分でしょう。双六は常に共通の一面と、選択肢によって変わる二面によって構成されています。特に二面が非常に面白いです。普通の双六に色々と追加ルールが施されており、戦略性を高める工夫が見て取れます。更に戦略性を高める要素として、プレイヤー一人一人に「戒」と呼ばれる特殊能力が用意されています。この戒を如何に使い他のプレイヤーを出し抜く、時には蹴落としていくのかが勝利への鍵というわけですね。ストーリー中ではこの戒を利用した妙手を何度も見せられ、ただただ感嘆するばかりでした。

 ヒロインとの恋情もまた、双六をプレイする中で育まれていきます。各マス目で様々なイベントが起こりますが、それに対して協力して立ち向かううちに芽生えていく「縁」。これもまた、本作品の大きな特徴と言えます。ルートによっては必ずしもハッピーエンド、とは限りませんが、どのエンディングも非常に綺麗なもので、個人的には割と好みですね。少なくとも一番が容易に決められないぐらいには、どのルートも魅力的でした。

 

 

その他、総合的な評価

 音楽やUI等については、悪くはないといったところでしょうか。取り立てて良いというほどではないですが、少なくともストレスのたまらない程度には練られているのではないかと感じました。

 注意点として、この作品の文体は普段からある程度文章に慣れてないと少々しんどいかもしれません。もし不安な人は体験版をまずプレイした方が良いかもしれません。とは言えエロゲーなんかやるような人は大抵文章を読みなれている気もしますが。

 また、やや凄惨な表現が見られます。ちょっとですがNTRに近い要素も感じました。しかしながらこれらの要素に耐性がある、もしくはむしろ興奮するという変態の方々にはかなりおすすめです。買った方が良い。いや、買いましょう。買うべきだ。買え。

こちらからご購入可能です。QUINCE SOFT ONLINE SHOP

 

 ちなみに本日12月1日はクレア・コートニー・クレアさんの誕生日です。おめでとうございます。誕生日プレゼントとしてもののあはれは彩の頃。を買いましょう。というわけで、短いですが感想と販促?でした。